『創業者の最後の建物』
2015.06.04
私事ながら弊社創業者で小生の祖父が心から愛した我が池田家の菩提寺でもある専立寺へ本日足を運ぶ機会を得ました。そういえば祖父が他界して早くも10年以上の歳月が過ぎ去りました。そしてふと目に留まったのが同寺の納骨堂である彼岸堂でした。思えばこれが今は亡き祖父の設計施工の遺作だったと改めて思い出しました。当時もう体調も悪かったと思いますが毎日現場へやってきて現場管理をしていた光景が今でも目に浮かびます。お寺の総代をさせて頂いていた事もありますが若くして不慮の事故でお亡くなりになった先代のご住職とは幼馴染で小さい時から遊んでいた同寺に対する思い入れは一入だったと想像します。故人曰く、「この納骨堂完成の暁には納骨の第一号は自分かもしれん」まさかこれが現実になるとは建築していたこの時は小生も大工棟梁も思ってもみませんでした。生前からの強い希望で葬儀は同寺本堂をお借りしました。また、ご住職の配慮もありこの彼岸堂から文字を頂き彼岸院という院号をも授かりました。彼岸と言う言葉は住職の最も好きな言葉みたいです。さぞかし祖父もうれしかったことでしょう。日頃から口癖のように「南無阿弥陀仏」と唱えていた信心深い祖父の冥福を心より祈った梅雨の晴れ間の朝のひとときでした。
10年の歳月を味わいを持って醸し出す、まったく本物の木造建築は本当に美しい!
今日改めて思い出しました。この基礎の石の施工図、屋根の出から熱心に指示してくれた事。勿論、自社大工施工、おおむねの材料も自社+地元の山一木材さんで揃えました。ご住職との計画で予てから材料も乾燥させていたみたいです。小生頼りない3代目ですが粉骨砕身家業を全うします。安らかにお眠り下さい。合唱。「南無阿弥陀仏」。
季節外れの写真ですが、祖父が植え大好きだった自宅の桜の木です。今年も美しく咲きほこりました。
今日は最初から最後まで自分の家の事ばかりで失礼しました。しかし、祖父がいて父がいてその歴史に守られて有り難く仕事をさせて頂いている事を痛感しました。されどこれからは現在の池工スタッフの時代です。一致団結して池工ファイト!
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